デル・レイ【逃げたロボット】AI搭載ロボットの家出幇助

逃げたロボット (冒険ファンタジー名作選(第1期)) – レスター・デル レイ, 御米 椎, 中尾 明
The Runaway Robot (1965)
逃げたロボット
デル・レイ 中尾明・訳 三輪しげる・絵
岩崎書店エスエフ世界の名作10 1967年1月
岩崎書店SFこども図書館10 1976年2月
逃げたロボット
グレーウィッチ作 袋一平・訳 御米椎・絵
岩崎書店 冒険ファンタジー名作選15 2004年10月
【あらすじ】
子守りロボット・レックスの語る物語。
レックスはパウル少年の子守りロボット。パウルのパパは木星の第三衛生ガニメデの総督であった。
しかしシンプソン総督に地球への帰還命令が下った。シンプソン総督は家族を連れ地球に戻るが、レックスはガニメデの農業地主・ヘニングスさんに売り払ってしまう。
しかしレックスと離れるのが嫌なパウル少年は地球行きの宇宙船から逃げ出した!
畑から逃げ出したレックスはパウル少年と合流。火星経由の地球への旅が始まる!!
【感想:AI頭脳のささやかな反抗!?時代がSFに追い付きつつあるのか】
語り手がロボットだということに意表をつかれます。まさかロボットが小説の語り手を務めるとは。しかし最近ではAIが絵を描いたり小説を描いたりするようだから、いずれは現実にそういうことがあり得るかもしれません。
それにしても農作業を命じられたロボットが命令に反して元・持ち主の子どもの家出を助けるとは、そんなことあり得るのでしょうか?貨物船のベッカー船長を騙してパウル少年を密航させたりするし。アシモフのロボット三原則的にはどうなんでしょうか?
それにしてもロボットの運賃がもったいないから売り払うとは、シンプソン総督も相当のケチですね。
まあ本作品は始めから子ども向きに描かれたジュブナイルSFですから、ハインラインの【超能力部隊】 のようなハードな展開はなく、ほのぼのとした安心して読める物語でした。
「わたしは、おとなよりも、少年少女に、SFをよんでもらいたい。SFは、少年少女をたのしませるだけでなく、これからの宇宙時代に生きる少年少女の心に、かぎりないゆめと希望をそだててくれるからだ。」
という作者の発言が巻末の訳者解説に掲載されています。
本書が書かれた時代(1965年)から50年以上経過し、時代も大きく変化しました。
今では宇宙開発よりもAIの開発が重視されているようです。
そういった変化があっても、SFを読む必要性は変わらず、むしろ大きくなっています。
だから皆さん、今後もSFを読みましょう!
それにしても1965年に出版された本作品が2年後の1967年に本書の初版が発行されています。
当時の日本のジュブナイルSF熱は活発だったのですね。(2005.0601)
(なお、アイキャッチ画像は 誠光社 様から拝借しました)
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