【宇宙家族】エバンズ カーバー一家の宇宙大作戦

星を追うもの
E・E・エバンズ作 矢野徹・訳 杉田豊・絵
岩崎書店エスエフ世界の名作12 1967年2月
宇宙家族
E・E・エバンズ作 矢野徹・訳 杉田豊・絵
岩崎書店SFこども図書館12 1976年2月
原題:The Planet Mappers
【あらすじ】
カーバー家は一家4人で宇宙探検をし、新たな資源を求めて新惑星を目指していた。
ところが隕石が宇宙船を直撃し、父親のタッドが意識を失う重傷を負う!
ジョン少年は兄のジャックと共に宇宙船を操作し、惑星探査の任務を続けるのであった。
そして見事に新惑星を発見するが、発見者の利権の横取りを狙う海賊スリック・ボーガンが出現!
宇宙艇スター・ローバー号は海賊達の追跡を振り切って地球に戻ることができるのであろうか!!
【感想:宇宙家族カーバー一家の大冒険】
この作品、旧版(SF世界の名作)1967年版では「星を追うもの」というタイトルでした。
ところが新版(SFこども図書館)1976年版では「宇宙家族」と改題されています。
丁度この時代に重なって「宇宙家族ロビンソン」というTVドラマが放送されていたようで(ファーストシーズンはアメリカでは1965~1968年、日本では1966年~1968年放送)、それに便乗した改題なんでしょうか。
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確かに本作品では一家四人で宇宙探検していますから、「宇宙家族」というタイトルは当てはまっています。しかし後の世から見るとややこしいです。しかも作者の名がE・E・エバンズで、これまたE・E・スミスと混同してややこしい。
訳者の矢野徹さんはあとがきで著者のエバンズさんと交流があったことを書かれています。
矢野徹さんというと、ハードボイルドという印象が強いのですが、本作品は子ども向けのほのぼの作品です。
物語冒頭で父親が隕石に当たって意識不明に陥るのですが、医学知識のあるジャック兄さんの診断ではそんなに重症ではなくいずれは回復するだろうということになり、それほど悲壮感なく物語は淡々と進行します。実際、タッド父さんは断続的に意識を回復し、物語終盤にはほぼ全快しています。
まあ本作品は父親不在の間、息子達が協力して役目を果たすというところが読みどころです。
最後の海賊とのレースは本当によいエピソードです。
ところで、本作品では二人の兄弟が大活躍するのですが、マーシ母さんの存在感が薄いような気がします。マーシ母さんは宇宙船関係の仕事には一切関わらずに料理するなどの内助の功に徹しています。
思えば登場する二人の子どもも男兄弟。この時代のSF小説にはキャリアウーマンのような男性に伍して働く女性キャラはあまり登場しなかったのかもしれません。
宇宙線に隕石事故が発生するという物語では、私は『宇宙船ドクター』という作品を読んだことあります。
こちらは痛みの伝わる壮絶な物語でした。
本作品は読者対象年齢がもっと低く想定されているのか、そこまで深刻な展開ではないのでゆるく楽しんで読めました。(2025.0424)
(なお、表紙画像は こちら より拝借致しました)
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