飛行機の歴史と物語
『空飛ぶ戦艦』に同時収録された読み物の紹介・感想です。
航空機の科学 岸田純之助(文)
モンゴルフィエ兄弟の気球からリリエンタール、ライト兄弟など空を飛ぶ乗り物の歴史概観。
飛行機発達における「音の壁」「熱の壁」等について。
非常に有意義な記述だと思います。これを読めば飛行機博士だ!
SFを読む子は理科が得意になったのではないでしょうか。
「今、イギリスとフランスでは協力して、コンコルドという超音速旅客機をつくる計画をすすめています。」
という記述があります。
本書出版当時(1964年)はコンコルドは計画段階だったんですね。
[wikipedia:コンコルド]
そういえば私は子どもの頃、 子ども時代に学研まんがひみつシリーズ『飛行機ロケットのひみつ』を読んだことあります。
パイロット学校の生徒達が飛行機の歴史の映画を見るシーンだけ覚えています。
それから、白木茂『ライト兄弟』も読みました。
冒頭、ライト兄弟の家族が竹とんぼのような空を飛ぶおもちゃを作り、お母さんが
「さあさあいらはいいらはい。
お代は見てのお帰りだよ」
とお客の呼び込みをします。
当時の私はこの口上の意味が分からず、何でこんな変な話し方をするんだろうと違和感を抱いたものです。
結局この冒頭のシーンしか覚えていません。
私もいい本を読んでいたのに肝心なことは忘れてしまったのですね。それも運命です。
それで長じて見世物や啖呵売の口上の研究を趣味にすることになったのだから、世の中どう転ぶか分かりませんね。
語り芸について書いたブログ記事
https://note.com/diletanto/n/n28a314b62ec0
世界をかえる翼 絵・由谷敏明
1 空の騎士たち
読み物は飛行機草創期の物語ではなく、応用期の物語でした。
飛行機の応用というと、つまり戦争。
人類の科学は戦争によって発達したという悲しい現実。
第一次世界大戦で活躍した戦闘機のパイロット達の物語です。
彼らは昔ながらの騎士道を持ち、撃墜した敵機の乗組員を哀悼したり、機関銃を故障した戦闘機をあえて見逃したりすることもあったようです。
ドイツのパイロット・リヒトホーフェンは戦闘機を真紅に塗っていたといいます。
機体を赤く塗る……というと、そうです。シャア・アズナブルのモデルという説があります。
[wikipedia:マンフレート・フォン・リヒトホーフェン]
2 空こそ、わがいのち
第一次世界大戦が終わると飛行機の出番も少なくなったようで、今では信じられないことですが、
「飛行機は平和な時には必要がないものだ」
と言われていたそうです。
しかし飛行機が好きな人の中には曲芸飛行や遊覧飛行を行う「ジプシー飛行機」と呼ばれる方々もいたとか。
曲芸飛行とは、飛行機の上で曲芸をすること。しかもあえてパラシュートをつけなかったという。
こんなの命がけです。今でもこんなことしていないでしょう。
曲芸飛行に失敗して殉職した人は100人を下らない、と書かれています。
アメリカ軍隊では海軍や陸軍が空軍の人員を減らそうとしたため、空軍のミッチェル准将が必死の論陣を張り、戦艦を戦闘機で沈めるという実験を成功させて空軍の実力を認めさせました。
しかしこれでまた戦争の犠牲者が増えることになるのですね。
この項目の最後はリンドバーグの大西洋横断のエピソードで締められています。
3 速く、高く、遠く!
第二次世界大戦後の飛行機の発展を駆け足で描く。
ジェット機からロケット機に。音速を超えること。
科学技術は着々と発展してきたのです。
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