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未来への科学/ジェームズ=クック/エリック・ド・ビショップ

少年少女ベルヌ科学名作12 うごく島の秘密』に同時収録された読み物の紹介・感想です。

未来への科学 丹羽小弥太(文)

 写真に解説文が付いた、未来予測の科学記事。
 科学が発展して今後の生活は大いに向上していくだろう、という希望に満ちた論調。
 この頃が一番未来に希望を持てた時代だったのかもしれません。
 私が子どもの頃に読んでいた学研の科学や学習といった雑誌もこういう論調でした。
 しかし現実に迎えた21世紀は……?
 今の子ども達の読む読み物は、どのような未来予測をしているのでしょうか。
 一つ特記することとして、ソビエトで「双頭の犬」の改造に成功したという記述です。

 検索すると、確かにその事実はあったようです。

臓器移植医療の確立以前、ソ連で行われていた「双頭の犬」「生首犬」の実験
  https://www.imishin.jp/vladimir-demikhov/
ソ連の「ロボット犬」と「双頭の犬」研究、その陰にあった功績とは(動画あり)
  https://www.gizmodo.jp/2011/03/post_8646.html
 
 さらに驚いたのは、

「1964年には、東京大学の脳神経科、佐野教授の研究室でもおなじような実験に成功しました」

という一文です。
 この件について検索したのですが、見つけることはできませんでした。
 果たして本当にそのような事実はあったのでしょうか。

 
探検王ジェームズ=クック

 ハワイを発見し太平洋上の海図を作成したクック船長の伝記。
『うごく島の秘密』の舞台となる海域を詳しく調査した方ということで選ばれたのでしょう。
 日本ではクック船長はあまり知名度はないのですが、オーストラリアやイギリスでは英雄として有名な方のようです。
 私も子ども時代に世界の偉い人数名を紹介した本を読んだことあり、その中にクック船長が入っていたと思います。
 著名人が探偵役を務めるという趣向の短編集『名探偵群像』でもクック船長が登場していたように思います。
 貧しい家庭に生まれたクック船長は商船に密航して見習い水夫になり、その後頭角を現して出世して船長になって活躍することになりました。
 クック船長の航海のテーマとして、南半球にあるとされた幻の大陸「テラ・オーストラリス」を発見するということがあったようです。
 まだまだ太平洋上の海域が未知の時代。
 クック船長のような探検家が色々と航海して海図に地図を書き入れていきました。
 島といっても無人島でない島には当然原住民がいます。
 そういった原住民と争わず友好関係を築くことで調査を円滑に進めることができたようです。
 当時は地球上にも未知の世界が残っていて、その空白を埋めるために調査した探検家がいたんですね。
 いずれ人類が宇宙に進出するようなことになると同じようなことを経験するようになるのでしょうか。
  

 

   
  
大平洋漂流記
  
 探検家で地理学者のエリック・ド・ビショップとその友人・タティの1937年の航海についてのノンフィクション。
 双胴カヌー・カイロミア号でハワイを出発して大平洋を西に向かいフランスへ到着するまで。
 この物語の主人公エリック・ド・ビショップについて検索してもほとんど出てきません。
 なぜかアメリカのプロレス関係者が出てきます。
 唯一見つけられたのが以下の論文。
  
CiNii 論文 – ビショップ、エリック・ド : 悲劇の太平洋探険者 Bisschop, Eric de(1891~1958)
  https://ci.nii.ac.jp/naid/110001366296
 
 読んでみると、氏は何度も航海しているらしい。
 1937年の航海は日中戦争の時期と重なって大変な時期だったようです。
 この論文によると、ヘイエルダールとお互いライバル関係を意識していたらしい。
 ヘイエルダールは今でも有名で私でも知っていたくらいですが、エリック・ド・ビショップは今ではほとんど忘れられていてウィキペディアにも項目がないくらいです。
 でもエリック・ド・ビショップも何度も航海して実績はあります。
 この違いは一体何なのでしょうか。
 知識のない私が無責任に第一印象を述べると、ヘイエルダールには『コンティキ号漂流記』という著名な著書があるからではないでしょうか。
 この本は映画にもなったようだしジンギスカンが歌にもしたし。
 人は死して著書を残す。著書の力はすごいものです。

 そして本書ではヘイエルダールではなく、このほとんど忘れられたエリック・ド・ビショップを取り上げています。
 今となっては貴重な記録ではないでしょうか。
 そしてその本を読んで私がこのHPで紹介しています。
 弱小サイトである私のサイトがエリック・ド・ビショップの再発見・後世への継承への一助となればいいですね。
 古い本を読んでサイトで紹介することにはこんな意義もあるのです。
  

 

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